私は日系SIerで営業マンをしている新卒3年目、ゴン野君です。
本記事では、SIerに勤務する私が、
- IT企業への転職を考えている方
- 現在エンジニアで営業職へのスイッチを考えている方
- 就職活動でIT企業を志望する方(学生)
- 「ITの営業」自体に興味がある方
向けに役立つ情報をお届けしています。
はじめに
IT営業の重要性とは何か
近年、I T業界は急速に進化しており、企業が市場で競争する上で、大きな要因となっております。実際に、コロナ流行以降、企業におけるDXにニーズが高まってきており、IT市場は売り手市場となっている現状です。実際に、国内IT市場も右肩上がりで伸びています(参考:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/00520/)。
このような市場において、IT営業はお客様のビジネスの成長を遂げるための、大変重要な橋渡し役となります。また、お客様ごとに変化する課題感や実現したいことを汲み取り、最善策を提案することが求められる役割になります。ニーズが高まってきているITの営業は大変重要な役割となります。
「お客様と一緒にD Xを進めていく」を実現できる推進力が鍵となります。
IT営業の役割とは
IT営業の基本的な役割
結論、大きく2つの役割があります。
1つ目は「顧客のニーズを汲み取る」役割です。
IT企業の多くは、1つの決まった商材を売るというよりは、お客様ごとに異なるニーズに対して、適切な形でソリューションを提供する必要があります。それは、ソフトウェアやハードウェアの単なる納品だけはなく、必要に応じてコンサルティングや開発のご提案をすることもあります。
お客様のニーズ、システム環境や、ITに関するリテラシーなども汲み取り、適切なソリューションを提案するのが大きな役目になります。
2つ目は「開発チームと連携する」役割です。
IT業界の商談とは、多くが営業のみで完結するものではありません(もちろん、完結するケースもあります)。お客様との会話する中で、「お客様が実現したいこと」がだんだんと見えてきます。この段階で「こんな提案が合うかな?」と勘所はあるわけですが、「うちの技術で開発が可能なのか?」「開発のリソースは足りる?」「いくらくらいの費用になるのか?」など、会社として提案可能かを確認する必要が出てきます。上記のような確認事項を持ち帰り確認をしてから、お客様への具体的な提案へと動いていく流れになります。
営業戦略と目標設定
まず、「営業戦略」を「新規顧客の創出」と定義すると、さまざまな戦略が存在します。
獲得できるリード数でご紹介すると大きく「展示会」「パートナーからの紹介」「お客様からの紹介」の3つあります。
「展示会」はその名の通り、大きな会場(ビッグサイトなど)で開催され、何かしらの課題を抱えた企業のDX推進担当者などが情報収集に駆け付けます。IT営業はこういった会場で自社ソリューションの紹介や、簡単なニーズヒアリングを行い、商談に繋げるような動きをとります。
ただし、ビッグサイトで開催される規模の展示会ともなると、同じようなソリューションを展示している企業も多数いるので、「商談につながる率」で見るとかなり低いです。
2つ目の「パートナーからの紹介」は、外部のベンダーより「このソリューションをA社に納品したいのだけど、開発してくれない?」といった経緯で生まれる商談になります。いわゆるコンペで、数社による提案が行われ、よりお客様のニーズに合った提案をした企業が採用されるといったものです。これも、SIerの業界ではよく見る光景であり、外部ベンダーとのリレーションを強固にしていくのも、立派な営業戦略になります。
3つ目の「お客様からの紹介」は、「あの会社のソリューションが良かったから、グループ企業や、取引先の企業を紹介してあげよう!」といった形で、お客様から紹介してもらうものです。頻繁に行われるものではないですが、新規顧客を獲得していく戦略を立てる際に、候補に上がる策です。
商談の流れ
以下の記事で、IT業界の商談の流れを解説しています。
リード(見込み客)の獲得
前述したように、「展示会」「パートナーからの紹介」「お客様からの紹介」の機会を大切にして、リードを獲得していくことは、IT営業の日常業務といえます。
アプローチ方法:テレアポ、メール、セミナー等
上記の作業でリードを獲得すると、次に具体的なアプローチが必要になります。見出しにもしているテレアポ、メール、セミナーは業界問わず実践している営業マンが多いかと思います。まさに、顧客リストの上から下まで一つずつ架電していくイメージです。大手SIerであっても、新規顧客を獲得していく上では、テレアポを行う企業は多いです。
また、最近では、セミナーからのリード獲得も増えています。
直近だと「生成AI」「紙業務の削減」「データドリブンな経営」など、あらゆるキーワードがトレンドとなっており、各所でセミナーが開かれています。と言いながら、私の会社も同様のキーワードでセミナーを開催しており、「セミナーを見ました」というお客様は多数います。上記の「リード(見込み客)の獲得」と重複しますが、セミナーもIT業界では立派なアプローチ方法です。
ニーズ分析とソリューションの提案
具体的なアプローチを行なって商談まで繋げたら、次はニーズ分析とソリューションの提案になります。
ニーズ分析では、主に課題、予算、スケジュールをヒアリングします。もう少し細かく聞ければ、リプレイスの理由や、新規導入の背景、システム利活用のイメージや、最終的なゴールなどを深くヒアリングさせてもらいます。
「2.IT営業の役割」で説明したように、商談内容によっては持ち帰り開発チームと連携して、より具体的な提案内容に落とし込んで、お客様へ説明を行なったりします。
クロージング
前述の通り、 IT業界はコンペが当たり前の世界です。「自分の会社と契約するとこんな良いことがある!」と強くアピールしてクロージングまで持っていくことが大変重要になります。また、コンペ先の情報も把握しておくのも、IT営業の重要な役割です。お客様と強いリレーションを構築して、コンペ先の情報まで連携してくれるなどといった関係性にまでなれたら、とても有利にコンペが動きます。
こういった泥臭いところまでしっかりと詰めることで、クロージングができるわけです(これは、IT営業に限ったことではないかもですね。)。
まとめ
今回はIT営業の業務内容を中心に説明させていただきました。
IT営業ならではの業務もあれば、読者の皆さんがこれまでに実践している業務もあったのではないでしょうか。ぜひ、皆さんのキャリアアップの一助になればと思います。
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