私は日系SIerで営業マンをしている新卒3年目、ゴン野君です。
本記事では、SIerに勤務する私が、
- IT企業への転職を考えている方
- 現在エンジニアで営業職へのスイッチを考えている方
- 就職活動でIT企業を志望する方(学生)
- 「ITの営業」自体に興味がある方
向けに役立つ情報をお届けしています。
はじめに
今回のブログでは、IT営業を目指すにあたり多くの方が気にされる、「商談の進め方」について解説します。
近年、IT業界は右肩上がりで成長を続けておりますが、市場規模を拡大するためにも「IT営業」の役割は大変重要なものと認識されています。
そんなIT営業ですが、どのように商談を進めているのでしょうか?
SIerで営業をしているゴン野君が実体験を交えてご紹介します。
まず、結論ということで、以下のような「知識の構図」をベースに案件を進めていくことが主流です。
商談プロセスの全体の流れ
商談の流れは、基本的に以下の通りで、IT業界以外と比較しても大きく変わる部分は少ないかと思います。
1. ファーストコンタクト
2. 開発との議論による提案可否及び要否の判断
3. 提案と交渉
4. クローズとフォローアップ
一方で、2の「開発との議論による提案可否及び要否の判断」については、他業界と異なる点になるでしょう。それぞれのステップの詳細について、以降の章でご紹介します。
各ステップの詳細の解説
ファーストコンタクト
最初の商談では、お客様の課題はもちろんですが、次のステップとなる社内検討ができるような材料集めを行う必要があります。
多くの場合、ファーストコンタクトは営業のみで対応します。
主に以下の項目についてヒアリングします。
・検討の背景、温度感
・現在利用中のシステム
・周辺システム
・リリース目標時期・スケジュール感
・予算
・競合
・実現したいこと
ここまで情報収集した後に、持ち帰り検討へと移っていきます。
ファーストコンタクトまでに、どのようなソリューションに興味があるお客様か、事前に情報があれば具体的なソリューションの説明からスタートできますが、必ずしもそのようなお客様だけではありません。課題が分からない場合は、広くソリューションのご紹介をするか、「仮説提案」を行うことが主流です。
広くソリューションをご紹介する場合、「知識の構図」の緑色の枠(浅くとも幅の効いた知識)を押さえておくことが重要になります。
実は、IT業界では「仮説提案」と呼ばれる、「このお客様はこんなことに困っているだろう」という仮説をもとにファーストコンタクトのステップで、なんちゃって提案をするスタイルが有効とされています。
お客様に「ここまで考えてくれたんだ!」と感じさせるとともに、お客様の潜在課題の発見や、フィードバックをもらうことによって業界理解が進むなど、次のステップに繋げやすくなるため、多くのIT営業が取り組んでいるものです(もちろん、IT営業以外でも用いられます)。
また、ファーストコンタクトの前後でRFPやRFIを受領・解答してから商談へ進めていくケースもあります。
開発との議論により提案可否及び要否の判断
ファーストコンタクトにて集めた情報をベースに、開発チームと協議をすることで「提案の可否と要否」を明らかにして行きます。
「可否」には大きく2つの観点があります。
- 「技術」や「ノウハウ」の面で、お客様がやりたいことを実現できそうか?
- 「リソース」の面で、案件を受託できるほどの開発者の余裕があるか?
「要否」にも大きく2つの観点があります。
- お客様の会社規模が、自社と取引をするのに見合うか?
- お客様の業界が、自社が注力する業界とマッチするか?
上記の検討の後、「提案する!」と判断した案件については、具体的な提案書の作成へと移って行きますが、ファーストコンタクトで収集した情報では提案書の作成まで落とし込めない場合は、開発チームにも同席してもらい、「知識の構図」の青色の枠(知識の深さ)を全面に出しながら、お客様と会話してもらいます。 営業だけでは、知識の深さには限界があるので、開発チームも巻き込んで案件を進めていくことが、IT営業の基本動作になります。
提案と交渉
提案書の作成が完了したら、提案のプレゼンテーションのステップとなります。こちらも「知識の構図」に沿ったプレゼンテーションが主流になります。
提案の背景や自社の実績、ケイパビリティなどについては営業がプレゼンテーションを行い、細かい技術要素については開発チーム(PMなど)がスピーカーになるケースが多いです。
クローズとフォローアップ
プレゼンテーションの後、自社を採用する旨、ご連絡をいただけたら、契約の手続きへと進めて行きます。契約締結までお客様を案内する「段取り」と「スピード感」は営業職の見せ場でもありますね。
業界を問わず行われていることにはなりますが、「なぜ弊社をお選びいただけたか?」については、フォローと並行してヒアリングすることで、その後の提案活動に活かすことができます。「この会社はここを重視していたのか!」と、これからお客様になる会社の特徴を掴むことにも繋がります。
まとめ
ここまで、IT業界における「商談の進め方」についてご紹介させていただきました。
効率良く商談を進めるためには、「知識の構図」を意識しながら、チーム体制で案件を進めることが大切になります。
IT営業を目指す方には「仮説提案」をオススメしていますので、ぜひググったり、書籍を読んでみるなどしてみてください。
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